深海DIARY

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【アルバム感想】『NOTHINGNESS TO REVOLUTION 』 DIE IN CRIES

DIE IN CRIES 1stアルバム(インディーズ)

1991年8月10日 リリース
NOTHINGNESS TO REVOLUTION

NOTHINGNESS TO REVOLUTION

  • アーティスト:DIE IN CRIES
  • インディペンデントレーベル
Amazon

『NOTHINGNESS TO REVOLUTION 』

収録曲

01 LAZY CALM 
02 LAMENTATION
03 NOISY CROWD
04 SHADE OF RHYTHM
05 DIE IN CRIES
06 NERVOUS (EXTENDED VERSION)

概要と感想

DIE IN CRIESのインディーズ1stアルバム。DIE IN CRIESとはD'ERLANGER解散後にボーカリストであるKYOを中心に結成されたロックバンドである。
 
ドラムにZI:KILLを脱退し、後にL'Arc〜en〜Cielに加入するyukihiro(本作品クレジットでは大文字表記)、ギターにはTHE MAD CAPSULE MARKETSを脱退しており、後に相川七瀬のサポートやCreature Creature、AA=に参加していることで有名な室姫深(児島実の名義でも知られる)、そしてベースにTAKASHIというV系界隈を齧ったことのある人なら名前ぐらいは聞いたことのあるメンツが集合した夢のようなバンドであるが、本作においてはKYOのソロプロジェクト的な役割が大きい。ブックレットにもKYOの写真だけである。
 
まだ上記で説明したメンバーがメンバーとして固まっておらず、クレジットを見るとyukihiroと室姫深のユニット「OPTIC NERVE」がサウンドの中核として全面参加。
ゲストミュージシャンという枠で成田忍、P-MODELのメンバーとして知られる小西健司、
杉山勇司が参加している形のようだ。
その他、クレジットを注目して見るとプロデューサーに大石征裕の名前があったり、インディーズながら参加メンバーは非常に豪華である。
 
アルバムの内容としては、ほとんどの曲がダークなアンビエントナンバーで歌入りの曲はM4とM6のみ。歌、というより語りのようなものが入っているM2なんかもあるが、基本アンビエントだったりインダストリアルな作風である。
 
最初このアルバムを聴いたのは10年ぐらい前の筆者が中学生辺りの頃なんだが、今でこそアンビエントもインダストリアルなものも許容できるというか、聴き馴染ませることができるんだけど、その当時はBeingからV系へと音楽の趣味がシフトしだしてた頃でこういった作風にまったく耐性も理解もなく、延々と水の音が聞こえたりノイジーな電子音楽が流れたりで理解不能だった。D'ERLANGERとZI:KILLからDIE IN CRIESを知ったのもあって、かなり外れた音楽性にただ仰天だったのである。
 
が、こういうインダストリアルな部分はSOFT BALLETなどから耐性が付き、好きになっていき、ミュージシャンの数も中学生の頃より知った今となっては非常に作り込まれた神秘的アルバムだと実感している。
 
後にDIE IN CRIESは4人組バンドとして武道館ライブを行うほどの人気を博すが、本作とは方向性が結構変わったので、やはりKYOによるソロプロジェクトというか、インディーズで最初にこのユニットの世界観を構築していこう、という感じ、いやインディーズだからこそ作れたアルバムだったのかも。
『DANCE 2 NOISE』シリーズが好きな人にオススメ。

Pickup Songs

02 LAMENTATION

ピチャンピチャンと水滴の音がずっと続き、ピアノが静かに鳴ってたりするアンビエントの強い曲(語り?としてボーカルも入っている)。実はよく聴くと次作で収録される「仮面の下の表情」のメロディーが使われており、この時点でメロディーの半分ぐらいは作っていったのだろうか。

06 NERVOUS (EXTENDED VERSION)

後にDIE IN CRIESのラストアルバム『Seeds』にバンドサウンドとして再構築され収録された彼らの代表曲の一つ。HydeがライブイベントでKYOと共演し披露したりもした。本作ではデジタルなサウンドとなっており、最後の曲だが一番歌ものである。最初の方が前の曲と繋がっているので、この曲から再生するとイントロが長くなってしまうのが難点か。バンドサウンドになったリメイク後よりもこちらの方がKYOがシャウトしたりしてカッコいいと思う。