深海DIARY

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【アルバム感想】『X JAPAN BEST~FAN'S SELECTION~』 X JAPAN

JAPAN 7thベストアルバム

2001年12月19日リリース

X JAPAN BEST~FAN’S SELECTION

X JAPAN BEST~FAN’S SELECTION

  • アーティスト:X JAPAN
  • ポリドール
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X JAPAN BEST~FAN'S SELECTION~』

収録曲

Disc 1

1 紅 (表記がないがアルバムバージョン)
2 Silent Jealousy
3 ENDLESS RAIN
4 Rusty Nail
5 Tears
6 ART OF LIFE

Disc 2

1 DAHLIA (表記がないがノイズ有りバージョン)
2 Say Anything
3 Forever Love (Single Ver.)
4 Longing 〜跡切れたmelody〜
5 SCARS
6 CRUCIFY MY LOVE

概要と感想

1997年の解散から約4年後に発売されたX JAPAN7枚目のベストアルバム。
X JAPAN全49曲の中から、インターネットと携帯電話での投票によって選ばれたベスト盤ということで、インディーズで発売された『Vanishing Vision』~『Forever Love(97年リリース版)』までを対象とした計49曲の上位12曲が順位のそのままに収録されている。全曲リマスタリング。マスタリングエンジニアはBill Dooley。
 
歌詞カードには結果のランキングが載っている。
また、01年にインターネット投票のファンベストっていうのも珍しいような気がするんだけど、どうだろう。
 
商品説明で全49曲とあるが、細かく言うとX JAPANは『Vanishing Vision』以前にも曲を数曲リリースしているが、その辺は投票は対象外である。そういう意味で全49曲ということに。流石に『Vanishing Vision』以前は無理だったようだ(投票できても上位に食い込むわけないだろうけど)。
 
全12曲。各ディスクに6曲ずつということで、短く感じるかもしれないが、X JAPANは曲の長さが6分以上が基本なため、両ディスクとも1時間以上の収録時間となっている。ディスク1のM6に関しては1曲で29分ある。
 
Bill Dooleyによるリマスタリングも特徴的で、全体的に高音を綺麗にした感じで、クラシック出身のYOSHIKIによって多用されているストリングスなどが綺麗に鮮やかに聴こえる。一方で低音に関してはだいぶ引っ込んでおり、ベースの迫力が薄い。この聴こえ方が、後述する「ロック感の無さ」を引き出しているのかも。
 
LAST LIVEによりボーカルTOSHIが脱退。X JAPANは解散という運びになったが、2000年に新たなボーカルを加えて再結成するという予定だった。が、ギタリストHIDEの急死もあり、再結成は難航。そんな中でも解散した97年~解散後の03年という期間にはちょくちょくとX JAPANのCDやDVDが発売されたりフィルムギグ(Live)が開催されており、本作もその一つである。
 
筆者が初めて聴いたX JAPANのアルバムという意味では思い入れのある1枚。初めて聴いたときは代表曲の大半がとりあえず収録されていたので、満足した内容だったが、X JAPANの作品をある程度集めると、若干インパクトに欠ける内容である。
 
というのも、このアルバム最大のデメリットはロックナンバーが少ない。これに尽きる。
ファンによる投票は明らかX JAPANと改名した後期の曲に固まっておりラストアルバムである『DAHLIA』を再編集し、プラスアルファしたような内容に。
荒々しかったX時代のロックナンバーは「紅」と「Silent Jealousy」のみで後はバラードの「ENDLESS RAIN」「Say Anything」という結果はマニアになっていくと物足りない部分があるかと思う。
筆者が初めて聴いたときも「なんか、Xって有名な割にロックロックしてなくね・・?」と思ったぐらいにはバラードが多い。
 
ただ、入門ベストとしては最適な部類である。代表曲「紅」を始め・シングルでは最大のヒットナンバー「Tears」や「ENDLESS RAIN」・「Rusty Nail」・「Forever Love」と有名な曲は網羅されているといっていい。
 
それに、X JAPANはアルバム5枚(うち1枚は1曲のみの内容)に対してベストがCDとしてリリースされているもので8枚という逆転現象がおこっている。でもって、全範囲を網羅したベストは本作と『THE WORLD 〜X JAPAN 初の全世界ベスト〜』の2枚のみ。残り6枚は権利関係等で一部しか収録されていなかったり網羅されていてもコンセプトベストだったりするので、X JAPANを初体験したいのであれば本作か『THE WORLD 〜X JAPAN 初の全世界ベスト〜』がオススメ。
 
しかし、後者はロックナンバーが多い反面、最大のヒットソング「Tears」が収録されていない。だが新曲のライブ音源が有り、という凸凹な内容なので、本作の方がオススメかもしれない。現在は廃盤なので、中古でもだいぶ高く取引されているが。