深海DIARY

感想・レビューをひっそり書いています。

【アルバム感想】『vocal compilation 90's hits Vol.1 〜male〜 at the BEING studio』 V.A

ビーイング系アーティストオムニバス

収録曲

01 果てしない夢を / ZYYG,REV,ZARD&WANDS feat. 長嶋茂雄 ★白盤Mix
02 悲しみが痛いよ / T-BOLAN
03 ふりむいて抱きしめて / WANDS
04 OH SHINY DAYS / TWINZER
05 甘いKiss Kiss / REV ★アルバムバージョン
06 君が欲しくてたまらない / ZYYG ★後期Mix
07 抱きしめたい / REV
08 君が好きだと叫びたい /  BAAD
09 くちびる / GEARS
10 ぜったいに 誰も / ZYYG
11 I KISS YOU / 新堂敦士
12 O・K! / XL
13 サヨナラから始めよう / T-BOLAN
14 天使になんてなれなかった / WANDS
 
 Premium Track
15 たった一度の LOVE SONG / BOØWY
16 ささやかな愛情 / WANDS
 
※★については全て表記無し。筆者が後から付け足し。

概要と感想

『 at the BEING studio』第10弾。男性ヴォーカルコンピレーションアルバム。
全曲リマスタリング。ライナーノーツ付き。M15とM16はプレミアムトラック
 
BOOWYを除けば全てが90年代のアーティストであり、Beingブームという存在を改めて認識できる。90年代に強烈な歴史を刻んでいたな、というのが分かる1枚。
 
選曲に関しても妥当な選曲だと思うが、単体で『 at the BEING studio』化したT-BOLANWANDSはそちらに収録して他のアーティストを増やした方が・・・とは思ってしまう。こんな機会だしもったいないというか。
特に、個人的にBeing影の天才ミュージシャンだと思っている矢嶋良介(『ウーマンドリーム オリジナルサウンドトラック』に1曲収録)やその矢嶋がボーカルでシングル1枚しかリリースされなかったMOON。他にもDEEP'SやEDGEなど、レアで且つ男性ミュージシャンが他にもいたんだから、その辺を入れた方が・・・と。後はこの際だから池森秀一の「DREAMIN'」とか。
 
百歩譲ってT-BOLANの2曲は川島だりあ(M02)と織田哲郎(M13)作曲なので音楽制作集団Being!的なアピールを感じるんだけど、WANDSは自作だし、WANDSの方のベストに入れてても良かったような。
 
など、思うところは沢山あるが、Beingを知るうえでカタログとして視聴するには丁度いい。
Beingの男性陣に関してはスマッシュヒットしたものも多く、後に『BEST OF BEST 1000』で単体ベスト化したZYYG。シングル全5枚のうち4枚がオリコンtop10入りしたREV。TWINZERBAADオリコンtop20位内には入るなどした。
 
Beingは会社全体として音楽を制作していたこともあり、良くも悪くも似たり寄ったりという印象を持ってしまうかもしれないが、逆に言えばチャートに通用する音楽を量産・発掘していたことも事実であり、「この感じ、Beingサウンドだなぁ」と令和になっても言わしめる出来栄えは感嘆する。
後にBeingのDJミックスコンピレーション「キミが好きだと叫びたい 〜Love & Yell〜 mixed by DJ和」が発売されたが、そちらを入り口にしてもいいし、本シリーズ(at the BEING studio)を入り口にしてもいい。両方を聴いて楽しむも良し。Being系が好きなら購入して損しない1枚。
 

Pickup Songs

果てしない夢を / ZYYG,REV,ZARD&WANDS feat. 長嶋茂雄

男性ボーカルもの、とライナーノーツに書いてあるが、紅一点ZARDがボーカルとして参加している一曲。まあ、ほとんどが男性陣なのとBeingオールスターズ+ミスター長嶋茂雄が参加している!な1曲なのもあって外すわけには・・・という判断か。女性コンピレーションの方に収録してボーカル男ばっかじゃんってなるし。
この曲の最初のアルバム収録がZARDのだったので、なんかその辺で細かい違和感があるんだけど、色々と考えると本作に収録したのは妥当か。
REVのセルフカバーを入れるって手段もあったが
曲全体の感想は別の機会にしたいので、今回は本作に収録された、ということに関するピックアップ。
 

たった一度の LOVE SONG / BOØWY

唯一の90年代以前の音源。伝説のバンドBOOWY最初はBeing所属だったんだぜ!といったプレミアムトラックだが、91年に発売された(その後何度か再発)『BOØWY COMPLETE』に収録されていた他、07年に発売された『THIS BOØWY DRASTIC』にも収録されている曲で前者はBOXなので入手が安易ではないかもしれないが、後者は普通のベストなのでレンタルもお手軽にできる。その為、今ではそこまでプレミアム感はない。
 
あのBOOWYというイメージをもっていたら唖然とするかもしれないおふざけ調ロックソング。
「ふざけ半分この感じ 本気だってわかるだろ まじめになればなるほどおれは まじめに言えないのさ」という歌詞をそのまま曲にしたようなニューウェーブパンク。
まだBOOWYが世に出る前、6人編成だった頃の曲でサックスを担当していた深沢和明の音が多くフューチャーしているのは聴く上でポイントである。
 
BOOWYJ-ROCKの歴史を変えた、なんてよく言われたりするが、この曲と当時のロックバンドを聴けば、その理由も多少は分かるのではないだろうか。
というのも、BOOWY以前のロックバンドといのは、ある種イロモノ感奇妙で色眼鏡をかけて見られることも多かったんだと思う。歴史に名を刻みセールスで成功した矢沢永吉のCALOLにしてもRC サクセションにしてもサザンオールスターズにしても、どこかコンセプトが先に見られ奇妙で珍しい、という感じ方をされていた。
そんな中でBOOWYの成功は、その奇妙や珍しいを払拭した「バンドのカッコよさ」というイメージを大衆に植え付けた、そういう意味で歴史を変えた、と言われたんだと思うし、この曲もそういう奇妙や珍しいという時代に作られていたからこそ出来た曲なのかな、と。当時のロックシーンを感じさせる1曲だ。
大槻ケンヂもエッセイ(どのエッセイだったか忘れたので大まかに書く)で「BOOWYがヒットするまで、変な奴らの表現方法の一つがロックだった」と書いていたが、そういう背景で聴くと楽しめるのではないだろうか。
 
ちなみに、実はBeingってアーティストは他にも、LOUDNESSや虎舞竜などがいた。
 

ささやかな愛情 / WANDS

2期WANDSの時期に制作されたバラードソング。ライナーノーツによると 
「「Jumping' Jack Boy」リリース後、「世界が終わるまでは」までの間に作られた」
とあり、ハードロック・グランジになる前のポップな曲調となっている。デモトラックとされているが、演奏やボーカル自体はしっかりと作られている。が、1コーラスにサビとギターソロがある簡易的な構成となっており2番がない。WANDSは『PIECE OF MY SOUL』後にバラードベストが発売予定だったとされるが、そこに完成させて収録されたのだろうか。それとも方向性が合わずそのままお蔵入りで世に出す気はなかったのか。
 
5期WANDSで完成形がリリースされると熱い展開だが、柴崎、木村両名は覚えているのかっていうのと、2番の歌詞がないからどうするのかっていうのもあるのかもしれない。