深海DIARY

感想・レビューをひっそり書いています。音を読む楽しみが共有できるといいな。

【シングル感想】『愛を語るより口づけをかわそう』 WANDS

WANDS 5thシングル

1993年4月17日 リリース

 

 

概要

アルバム『時の扉』と同時発売。共にミリオンヒット。チャート首位を獲得した。

WANDSとしては、3枚連続でミリオンヒット(中山美穂&WANDSを加えれば4枚)と、WANDSの最大瞬間風速がMAXと、トップアーティストの仲間入りを果たした。

 

地味に本シングル盤からジャケットは横デザインが続き、縦デザインが復活したのは3期『錆びついたマシンガンで~』まで間が開くこととなる。

 

01 愛を語るより口づけをかわそう

織田哲郎作曲による疾走ナンバー。

織田哲郎が作曲したシングル、という期待を裏切らない耳辺りの良い好ポップスソング。

 

跳ねるキーボードと爽やかなボーカル、鮮度のあるギターと、WANDSというユニットが三位一体でまとまったような1曲。

サウンドからしてキラキラしているが、歌詞もキラキラしており、とにかく愛を語るより先に口づけなり笑顔見せ合ったり、とハイテンション。

 

織田さんが絶賛したように、「口づけ」と表現する辺りが詩人というかインパクトがあるというか。

タイトルが長い、って時点でインパクトがあるが、そこに「口づけ」である。「キス」でも「接吻」でもなく「口づけ」と落とし込んだセンスが流石だと思う。

 

ロック志向なサウンドではあるが、次作ではダンサンブル路線に戻ったりもするので、色々と試行錯誤してた中での1曲なのかな、と思うが、『時の扉』と同時発売だし、路線とか関係なくWANDSっぽいサウンドを出せるだけ出しとけ、って流れだったのかも。

 

アルバム『時の扉』に続いて湿っぽい音にマスタリングされていることが残念。

筆者的には『WANDS BEST 〜HISTORICAL BEST ALBUM〜』のリミックスバージョンの方が好き。オリジナルバージョンは『時の扉』に続いて湿っぽい感じがあまり好みではないかな。

 

織田哲郎によってセルフカバーもされているが、そちらでは落ち着いて雄大なサウンドになっている。こっちもこっちで味がある。

 

02 ・・・でも 君を はなさない

柴崎浩作曲によるミディアムナンバー。柴崎浩作曲がシングル盤に採用されたのはこの曲が初だったりする。

 

『時の扉(アルバム)』の下位に収録されてそうな系統の曲ではあるが、こちらは明るさもあるので、その点では印象に残りやすいと思う。

 

サビのメロディーはけっこう耳に残るメロディーで爽やか系ポップス。こういう高くて柔らかいボーカルにガツンとしすぎないサウンドは今の邦楽ロック志向に近いような気がする。

 

歌詞では喧嘩した「君」に対しての、僕の心境が歌われているが、「髪を切れなんて よけいなお世話 言うヒマがあったら」というフレーズは髪が長い上杉さんだからこそ、書けた歌詞なんだろうか。

恋愛ソングで女性が髪を切る、って描写はよく見かけるけど、男側に髪を切れ、って珍しくような。

「僕」はバンドマン志望とかだったのだろうか。

 

永遠(とわ)に戻らない この時間(とき)にすべてを・・・

と最後にあるが、A面曲である「愛を語るより口づけをかわそう」のサビに

永遠(とわ)に戻らない この時間(とき)の中

 

とほぼ似た表現があり、これは狙ったのか、たまたまなのか。

 

地味にWANDSは「」とか「・・・」がタイトルに入ること多いよね。Being側の意向だったのか、上杉さんのこだわりだったのか。猫騙やソロでは使用されなくなったが。

 

03 愛を語るより口づけをかわそう(オリジナル・カラオケ)

コーラスありのカラオケ音源。

サビでは低めのハモリを披露。