深海DIARY

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【シングル感想】『Jumpin' Jack Boy / White Memories』 WANDS

WANDS 7thシングル

1993年11月17日

Jumpin’Jack Boy/White memories

Jumpin’Jack Boy/White memories

  • アーティスト:WANDS
  • ビーグラム
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概要

WANDS7枚目のシングル。今まではTM FACTORY/東芝EMI レーベルからリリースされていたが、今作からB-Gram RECORDSでのリリース。

 

オリコンでは両A面指定であったり、シングル盤にも、表にはJumpin' Jack Boy。裏にはWhite Memoriesのデザインがされているなど、両A面仕様で「White Memories」はPVも制作されていたようだが、「White Memories」はベスト含めアルバムには収録されておらず、公式サイトにおいては「Jumpin' Jack Boy」単独A面となっている。

 

なお、このシングルからカラオケ音源が未収録に。3期に移行してカラオケ音源が復活した。

 

01 Jumpin' Jack Boy

デビュー曲以来の栗林誠一郎作曲ソング。

キーボードが目立った明るい爽快ポップロック。

 

『Little Bit…』で新たに築き上げたキーボードの演奏を更にブラッシュアップさせたような曲で、とにかくキーボードが曲の魅力を惹きたてる1曲

とはいえ、『時の扉(アルバム)』を発売した年と同じ93年リリースの曲なので、ブラッシュアップ、というより、Being側に供給された音源に詞を書いてアレンジして、って作業化しての1曲かもしれないが。

 

サビの「Crying Crying」だとか「Crazy Crazy」と言葉を乗せたのはリズム良しインパクト良しといった気がする。

 

ただ、筆者的には普通にポップすぎる1曲で、あまり印象が強いわけでもないのが本音。

 

93年というとZYYGが始動した年でもあるが、栗林作曲故にZYYGにこの曲を採用するって流れはなかったのだろうか。ZYYG1期で聴いてみたかった曲かも。キーボード中心のサウンドにはならないと思うが、4人編成で奏でた方が似合いそうな曲ではある。

 

また、この曲にハマったなら、栗林誠一郎『Frosted Grass』(98年)に収録されている「何故」って曲をオススメする。同じテイストの曲で、キーボード主体のポップナンバー。

 

アルバム『PIECE OF MY SOUL』ではアルバム内のサウンドに合わせる為、生音重視の大胆なアレンジ変更が行われた。

 

ちなみに「Jumpin' Jack Boy」はバネ仕掛けの操り人形という意味。

タイトルから歌詞を書いていくため、苦労したと自伝にて触れられている。

 

02 White Memories

大島こうすけ作曲&編曲。

上のクレジット表記から分かるように1期の頃から存在していた曲であり2ndシングルの候補曲3つのうちの1つだったことが開かされている(『WANDS BEST 〜HISTORICAL BEST ALBUM〜』ライナーノーツ参照)。

 

冒頭から栗林誠一郎のコーラス(シングル盤にはクレジット無しだが、彼で間違いないと思う)と、ジャンジャン!というド派手なオケヒがインパクトある曲。

 

相変わらず大島アレンジとなると、キンコンキンコンとグロッケンやベルを鳴らしているが、その他にもカウベル(多分)や、ウィンターソングらしくスレイベルが鳴っているなど、ド派手なオケヒに印象を持っていかれるが、細かい部分ではだいぶ凝ったアレンジをしているんじゃないだろうか。

 

2ndシングルの候補だっただけあってメロディーは良く、栗林誠一郎の綺麗なコーラス含めウィンターソング感は満載。

ジャンジャン!ってド派手なオケヒ含め、シンシンと雪が降る、それでいてキラキラした感じって、こんなのだよな、って思えるというか。

 

歌詞もJ-POP的な冬を舞台にした失恋ソングでロックじゃないものの、J-POPで聴けば普通にいい歌詞だと思う

歌詞も1期の頃に完成していたのかは不明だが、「ふりむいて抱きしめて」に近いような歌詞だとも感じる。

 

『WANDS BEST 〜HISTORICAL BEST ALBUM〜』ライナーノーツには「リリースの際に手が加えられている」とあるが、キーボードの演奏は木村さんがしているのか、そこが気になるところ。

キーボードの演奏も、まんま大島チックだけど。

 

筆者的には大島アレンジは好きなので、トータルで言うと「Jumpin' Jack Boy」よりも印象が良い。

 

大島アレンジ曲を持ってきたことで、サウンドが一気に1期(ダジャレじゃない)へと戻ったが、仮にWANDSがハードロック路線に移らずポップ路線で、その流れで制作されたアルバムに収録できたのだろうか、という疑問はある。

 

そもそも、このシングルが11月17日リリースというウィンターソングのタイミングも早い時期だし・・・。どういう経緯でカップリング(もしくは両A面)として採用されたのだろうか。

 

それと、もし2ndシングルに採用されていたら『寂しさは秋の色』からの『White Memories』と秋ソングから冬ソング、ってなっていたのか。

 

でも、『寂しさは秋の色』は12月4日発売で、2ndシングルとなった『ふりむいて抱きしめて』は5月発売だったので、季節をガン無視するんだよな。

どのぐらいの時期に曲が出来上がっていた、そしてどの曲を2ndにと議論していたのかにもよるが。

 

『ホテルウーマン』に収録された『寂しさは秋の色』は11月リリースだったので、早いタイミングで「White Memories」を2ndに、と決めていたらリリース時期ずらして発売できてそうだが。