深海DIARY

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【ライブ感想】『<Thursday LIVE 〜寺尾広プレゼン企画〜>』@hills パン工場 2023年5月18日 寺尾広・BAAD

『<Thursday LIVE 〜寺尾広プレゼン企画〜>』@hills パン工場 2023年5月18日

朝から雨が降りそうで降らない冴えない曇り空の中、私は一人電車に乗り用事で梅田まで向かっていました。

 

 

そんな時、電車の中でふと目に入ったツイートが。

 

「当日券販売17時半~店頭にて」

 

それが『<Thursday LIVE 〜寺尾広プレゼン企画〜>』でした。

・「BAAD再会、デビュー30周年にライブ出演決定」

そんな一報が駆け巡ったのは4月のこと。

近年WANDSやZYYGといったBeing(B ZONE)系アーティストが再結成する機会も少ない中で、BAADもまさかの再会(あえてこう表現しています)。

 

BAADはスラムダンクの初代OP曲「君が好きだと叫びたい」を歌ったロックバンドです。BAADの名前を知らなくても、曲の知名度は高いと思います。

 

2022年12月に公開されたスラムダンクの新規映画『 THE FIRST SLAM DUNK』が前評判を覆して世界的な大ヒットになる中で、突如BAADの初代ボーカリスト 山田恭二のインタビューが公開されそれに驚いたB ZONE(Being)ファンも多かったのではないでしょうか。

実際私も驚いたのですが、さらに驚いたのがBAAD再会でした。

 

・初めてのhillsパン工場

当日券販売があること、コロナ禍の自粛も落ち着き、そして丁度梅田に居ることもあり「せっかくなら再会ライブ行ってみるかぁ」と(あと当日券でも3500円+ドリンク代と安かったのも)決め心斎橋に。

 

実は「hillsパン工場」に行くのは初めで。

そもそもあまりライブに行く機会もなく、過去にドーム・ホールクラス、野外、フェスの参加はあるのですが、ライブハウスという少人数の会場が初めて。

正確には友人の軽音部のライブを見に行ったことはあるのですが、自分の中で「ライブハウス」というのは仕切りが高かったのです。キャパが少なく、熱気あふれるイメージがあって。

基本ライブは小さくリアクションするか地蔵なことが多くて避けてたんですね。

 

とりあえず外から会場の模様見て向いてないと思えば帰ろう、なんて考えつつ当日券販売の40分ほど前にhillsパン工場へ到着。

当然会場が空いているわけでもなく、チケットを持っているわけでもないのでウロウロしたり前で待っていると、次第に人が集まってくるように。

 

そして17時30分。

遂に当日券販売の時間が。

 

初めてのパン工場で要領が分からず「店頭販売って、店頭はどこだ。。。」と思いつつ、とりあえず入り口にスタッフらしき人がいたので突撃。

「あの、当日券買いたいのですが・・・。」

と恐る恐る尋ねると、なんとその方は斉田才氏でした。

 

斉田氏がパン工場の「店主」であることは以前から承知していましたが、直々に対応しているとは思っておらず、心の中で「あっ!」と驚き。

私の勝手なイメージとは違い、気さくそうな方で明るく対応してくれました。

「当日券ですね、あ、ラッキーですね」

私の買った当日券は別の方がキャンセルされた席だったようで、まさかの前列というベストポジション。

内心、上述のようにライブハウスに仕切りの高さを感じており、後方が良かったなーと緊張(ただライブが始まると杞憂だった)。

 

・そして始まるライブ

(注)以下ネタバレ。またセトリやMCは完璧に覚えていませんのでニュアンスミス等がある場合があります。

 

18時30分開場。

Twitterで言われていた展示物を眺めつつ入場。ドリンクを貰い待機。始まるまでZYYGやREV、New Cinema 蜥蜴が場内で流れてました。

 

19時5分頃、ついに開演。

 

いきなり「君が好きだと叫びたい」の、あのイントロが!同時にカーテンが開くと、そこに現れたのはまさかのキーボードを奏でる寺尾広!!!

 

今回のライブは「寺尾広プレゼン企画」ということで2部構成なんですね。

 

BAADのツイートにも「短い時間ですが」と書かれており、スペシャルゲストともかねてから伝えられていたので、私自身もWANDS5期お披露目ライブみたいに数曲だけ出るんだろうなぁとは思っており、それ以外がよくわかっておらず、どんな感じなんだろう、と。

・第一部

第一部は寺尾さんのソロライブ。

寺尾さんのトークが始まり、メンバー紹介や5月はスペシャルな月だよーって話から生まれた星座の話へ。

今回のメンバー構成は寺尾 広(MC、Vo、Key)、Dr. 車谷啓介、Gt. 岩井勇一郎、Ba. 川浪啓太郎(from WWEEZZ)

 

そのまま話は栗林誠一郎さんの話題へ。

そして始まる「栗林誠一郎作曲オンリーで寺尾さんによるZARDカバー」ライブ。

 

寺尾さんボーカルによるスペシャルなZARDカバーライブ。「もう少し あと少し…」「Just for you」「君がいない」など笑いも含んだMCがありつつ披露されました。

とても貴重。まず寺尾さんボーカルが貴重。アレンジもしっとりした感じで大人な雰囲気。どれもCDでは聴けないその場でしか体験できないサウンドでした。

 

あとhills パン工場は以前から「Thursday LIVE」が毎週行われていた(Wikiにも書いてます)ようで、長戸大幸氏がちゃんとした意味をもって木曜日を選んだ所以を寺尾さんから語られていてなるほどーと思いました。

・第二部

その後、遂に第二部へ。

 

バッ!とカーテンが開きパッと明るくなると、そこには大田紳一郎(Gt. & Cho。下手(左)側)、山田恭二(Vo、中央)の姿が。彼ら二人に寺尾さんら上述のメンバーがサポートとして参加し、本来のメンバーである新井康徳(Dr)、小林正道(Ba)は不参加。

1stアルバムのジャケットを意識したような青いジーパンにジージャンをお二人とも着てました。会場も皆立ち上がる。

この時点で私は胸に感動が溢れる思いでした。特に足を開きズシンと、顔がニッコリしてた大田さんが印象的だった。

 

思えば不思議な体験で。私が生まれる年に解散したバンドの再会ライブを聴いている。勿論、リアルタイムのBAADなんて知らない。なのに、なぜかカーテンが降りて彼らが目に入った瞬間、言葉には表せれないような懐かしさと高揚感を味わったのです。

 

感動の中、あのイントロが。そう、1曲目は「君が好きだと叫びたい」

 

まさか生でこの曲を聴く機会があるとは。

山田さんは長く音楽業界を離れていたのでボーカルがどうなるかと思っていましたが、あの頃と変わらず

大田さんの高音コーラスも冴えわたる。

個人的には前列に居たので細部までお二人が見れたんですが大田さんのギターソロでのタッピングが近くで見られたのが感動。

 

会場も曲が進むにつれて熱気溢れていました。

 

MCでは例のインタビューについてや再会に至った経緯、インスタグラムで応募した質問への回答(インスタグラムで回答したものに+してエピソードを話す)など寺尾さん進行で行なわれていました。

大田さんが以前インタビューで語っていたように、BAAD1期はほとんどライブをしなかった(ミュージックフリークマガジンは「第1期メンバーでは初となるライブ」とツイートしている)為、山田さんライブ姿が貴重ということもあり、やはり山田さんのトークは注目度が高かったように思います。

前列にいたので、距離が近く細部まで見れたんですが、山田さんは感慨深げな顔を時折していたような気がします。

 

披露された曲は他に「TAKE MY DESIRE」「LOST IN TWILIGHT」「I will never say good-bye」「SADISTIC LOVE」「君はマニュアル通りには動かない」だった記憶(間違えていたらごめんなさい)。

 

アルバム未収録だったカップリング曲「TAKE MY DESIRE」は意外な選曲だと思った。

「SADISTIC LOVE」では川浪さんと寺尾さんが激しく演奏していた。

とある曲で大田さんが曲入りのミスをしてイントロをやり直すアクシデントもありましたが、それもライブの醍醐味ですね(聴いてる分にはわからなかったんだけど)。

「君はマニュアル通りには動かない」は大好きな曲だったので嬉しかった。思わず歌いそうになりました(恥ずかしいので歌わなかったですけど)。

 

そしてアンコールはまさかの「ENDLESS CHAIN」

タイトルを聴いた時は本当に驚いた。TV Sizeしかない音源だからです。

フルでやるの?1コーラスだけ?とワクワク。なんとアウトロが追加され新しい形で聴くことができた。とても貴重。これが聴けたのは感動でした。

 

アンコール2曲目は「もちろんアレ」ということで「君が好きだと叫びたい」2回目。

1回目の「君好き」は観客も演者も緊張したような、そんな感じはしましたが、観客も演者もライブが進むにつれて温まり、会場も演者も一体になったような熱さがあった。

 

もっと言えば、最後に「君が好きだと叫びたい」で締めるのはアニメ「スラムダンク」最終回を連想させて、未来へ進んでいく思いと同時にしみじみとした切なさを感じた。

 

「君が好きだと叫びたい」で始まり「君が好きだと叫びたい」で終わったライブでした。

・終わってみて

車谷さんのドラムめちゃくちゃ迫力あった。川浪さんは甘い顔に5弦ベースを操り音をしっかりと支えて演奏。岩井さんは第1部ではアコギ演奏も聴けてBAADではサイドギターとして演奏をCDと同じように再現されていました。

 

ラッキーで当日券ながら前の方の席という良いポジションでBAADを聴けたのは、本当に感動の思い出でした。

あの近い距離で山田さんと大田さんを生で見れたのはもう、最初で最後になるんじゃないか、ってレベルだし本当にラッキーで行って良かった、本当に。

実は最近良いことないなぁ、と常々思って凹んでいたので、エネルギーを貰いましたよ。

 

1つ気になるのが、BAADは音楽メディアや公式において常に「再会」という言葉を使っており「再結成」という文字が使われていない点。

ZYYGは「再結成」とされた一方でBAADは「再会」となっているので、今後の活動がどうなるのだろう。

 

今回は「ライブ出演緊急決定!」と公式でもアナウンスされていたように4月の「再会」から約1ヶ月という短いスパンでのライブ発表で山田さんからも「急な中、集まってくれて」といった感じのMCもしていた。

新井康徳、小林正道両名は公式サイト等でコメントを出しながらも今回のライブには不参加だった。

ただ彼らも山田さんと同じく音楽活動の第一線からは離れていた、と各メディア記事に書かれていたのでその都合もあるのかな、と。

ZYYGは高山さん以外は音楽活動してたし、WANDSもそうだしね。急にライブって折り合いがつかなかったのかも。

 

2期BAADのことも若干語られていた。筆者は2期BAADも1期と同じぐらい好きだったので嬉しかったけどその辺もどうなるんだろうか。

これからどのような活動になるかは注目。

 

とにもかくにも今回はBAADが好きだと叫びたい。

君が好きだと叫びたい

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