WANDS 6thアルバム
2020年10月28日 リリース
『BURN THE SECRET』
収録曲
01 David Bowieのように
02 抱き寄せ 高まる 君の体温と共に
03 賞味期限切れ I love you
04 Secret Night 〜It's My Treat〜 [WANDS 第5期ver.]
05 Burning Free
06 真っ赤なLip
07 明日もし君が壊れても [WANDS 第5期ver.]
08 もっと強く抱きしめたなら [WANDS 第5期ver.]
09 世界中の誰よりきっと [WANDS 第5期ver.]
10 アイリメンバーU
概要と感想
WANDS6枚目のアルバム。
アルバムとしては21年ぶり。旧メンバーに加え、新ボーカリスト上原大史を迎えて再結成した第5期WANDSとしての初のアルバム。
タイトルは直訳すると「秘密を燃やせ」という意味であり、「隠すものなど一切ない、ありのままで剥き出しのWANDSサウンドが封じ込められた作品」と各媒体で紹介されている。
通常盤と初回限定盤の2種類でリリースされ初回限定盤には「真っ赤なLip」MVほか、新たに制作された「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」MV、「Secret Night 〜 It’s My Treat 〜[WANDS 第5期ver.] 」MV Short ver.を収めた特典DVDが付属。
通常盤初回生産分特典は封入シリアルナンバーでMVのメイキング映像が視聴可能となっている
長戸大幸氏がプロデュースを担当。ディレクターには寺尾広、川島だりあ、池田大介と懐かしの面々が。
5期によるオリジナルを6曲、セルフカバー4曲で構成され、配分は長戸プロデューサーに委ねたとのこと。ただ、再結成して早々に披露していた『世界が終るまでは…』は未収録。
柴崎によれば、「深読みされたくない、3期の曲を入れたい」と語っており実際にM07が収録されている。
地味に1stアルバム『WANDS』以来のアルバムタイトルと同じ曲(タイトルチューン)が無い。
シングルのカップリングとして過去曲をセルフカバーしてきたWANDSだが、アルバムでもセルフカバーを盛り込んで完成された本作。
5期による新曲はボーカリストが詞を書き、柴崎浩が中心となり作曲を行うという(M06・M10を除く)点においては2期を踏襲したような制作スタイル。編曲はM06を除いて柴崎さんが担当するなど、柴崎浩によるイニシアティブが強い一方で、木村さんはコロナ禍の影響もあり、深く関与できなかったことをインタビューで明かしている。
2期&3期メンバーであった木村さん曰く「今のWANDSと過去のWANDSを繋ぐ接着剤の役割をしているアルバム」と語っており「継承」としての側面が強いようにも思えるオリジナルアルバム。
表に出ることがなかった第4期を経て新ボーカリストを迎えて再結成した第5期WANDSはお披露目ライブにしてもそうだが早い段階で素性を明かすという3期とは対象的なプロモーションがされており、特にインタビューでは上原さんが「昔のファンからの批判、プレッシャー」といった不安を率直に語ったり、他メンバーも過去のWANDSというものを意識するコメントも多く、その結果が如実に表れたのがこの、オリジナルを6曲、セルフカバー4曲という構成でのオリジナルアルバムなのかなとも思う部分もある。
そもそもBeingが90年代黄金期に行っていた、なるべくメディアに出ない→リスナーは少ない情報を得る為にCDを購入したりFCに入会する、っていうプロモーション戦略がCD不況、TV離れ、ネットメディアの台頭と、今の時代にそぐわないというのも、あるのだろう(このメディア露出を控えるプロモーションがWANDSにとってみれば諸刃の剣だったわけだが)。
結果、再結成して直ぐに姿を見せる手法であり、SNSを始めとするネット媒体やTV出演も増え、過去のWANDSを意識するアーティストの声が聞こえやすくなったっていう一連の流れに見えるんだと思う(ただ時代がそうしただけで長戸大幸氏的には3期で批判があったから即プロモーションしたという訳でもないと思う。実際上原さんに軽くWANDSやらない?って誘っていたようにあくまでBeingが作り上げる一商品WANDSって側面が今も昔もあってそこは変わらないのでは)。
オリジナル(新曲)に関してはM02のシングル感想際に書いたように今風のサブスクを意識したような売れ線J-POP方程式な作りが多いように思う。
というのも、収録曲の尺を見てみると躊躇に感じる。
新曲は大島ソング(M06)を除き、全てが4分未満。対してセルフカバー(過去曲)はM09が一番短くて4分、それ以外が5分台に収まる。
こう比較してみると、オリジナル曲はサブスクが主流になり再生回数等を意識した(3分前後の短い曲)のかな、と勘繰ったりもするが偶然なのか必然だったのか。
オリジナル曲が短いので全10曲でも40分ほどになり、アルバムとしてもコンパクトな収録時間になっている。
新旧混合の収録内容だが、意図的なのか偶然なのか、前半にオリジナル曲(新曲)が中心に並び、後半にセルフカバー曲が中心に並ぶ。
そんな中で筆者が思うのが、オリジナルアルバムに対してのセルフカバー曲の扱い方。
柴崎さんがインタビューで新曲とセルフカバー曲の混ざりあいに対し、「過去のWANDSの楽曲を今、また聴ける状態にしたい」と述べトータルで「統一感のある」とコメントしている。
過去曲と新規の曲が混ざることでライブのようなお祭り感やベストアルバムのようなお得感が生まれる反面、5期のオリジナル曲の出来栄えにもっと5期曲を聴きたいという期待が膨らんでしまう。つまりは、新旧お互いが相殺し合っているような気がする。
この期待の膨らみが、次回作以降への購入意欲へ繋がることを加味して制作されていたのなら感服する他ないのだが、新旧ソングを大体半々に収録した結果、カタログ的なアルバムになってしまっているとも感じられた。
過去の曲を再レコーディングするのには様々な理由がある。
バンドブーム期以降躊躇だったのはインディーズで録音した楽曲をメジャーレベルで撮り直したい、というもの。これと似たもので再結成して演奏技術が向上したので撮り直す、他だと大胆にアレンジを変えてアルバムのコンセプトに合わせる為、だとかメンバーが変わった為だとか。
そんな中でセルフカバーアルバムとしてベスト盤のようにまとめるか、コンセプト盤を制作するか、オリジナルアルバムに統一感をもって収録するか、といった感じに扱われていくわけだが、第5期WANDSのセルフカバーの原曲を忠実に、現代風にブラッシュアップしている様は約半分も堂々とオリジナルアルバムに組み込むよりもオマケ程度に数曲入れるか、セルフカバー盤のような独立した形で収録した方が真価を発揮するのかな、と思った。
原曲を忠実にブラッシュアップしている結果、その楽曲がもつオーラがそのままになり、結果新旧楽曲お互いに、本来光って見える部分に影を作ってしまっている、というべきか。
生音から打ち込みに回帰したM04なんかは本作のコンセプトに落とし込んで馴染んでいるように思うけど、M08・M09の明るく爽やかなものは楽曲として独立してるな、というのが正直な感想。
もっと言えばM07~M9の連続セルフカバーという流れはクドさを感じる。
そういう点ではアルバムリリースを急ぎすぎたようにも思う。もうちょっと新曲が欲しかったところ(コロナ禍の影響もあるかもしれないが)。
せめてカップリングとして先立って公開されていたM08は抜いて、そこに新曲を入れて、新旧7:3の割合でバランス良かったのかな、と。6:4はちょっとバランス悪い。半ベスト、と形容されるのも致し方無い。
Being全体として90年代の楽曲を今に甦らせるのがトレンド化してDAIGOの『Deing』やSARD UNDERGROUND、そして第5期WANDSと続いているからセルフカバーは必然だとは思うし、WANDSに関しては5期以外は現状サブスク未配信で(1期と3期のアルバム、1期~3期を総合したベスト盤はダウンロード購入ができるが2期アルバムは未配信)、だからこそ原曲に忠実なセルフカバーはサブスクユーザーにも需要あるんだろうけど、原曲に忠実なセルフカバーを半分程度も収録するならSARD UNDERGROUNDのようにセルフカバーアルバムとしてまとめた方がスッキリするのではないかと思った。
余談だが、WANDS1期~3期の楽曲をサブスク解禁しないのには理由があるのだろうか。
Being再結成組はZYYGやT-BOLAN、大黒摩季に至ってはサブスク用にリマスタリングするという気合の入れ様。ZARDやB'zも解禁する一方で再結成組ではFIELD OF VIEWは未解禁。アーティスト側の意思を反映して解禁しているようにも思うが・・・。ある種、1期~3期を解禁しない分、サブスク解禁された5期セルフカバー版が過去曲需要としてサブスクでの再生に繋がる、と考えると意図的に解禁していないのか、事情があるのか。。。
トータルで見ると再結成して1枚目ということでファンに対するご祝儀的な内容となっているようなアルバム。
前述のように木村さんが深く関与できなかったことを明かしているが、彼は特に3期では作詞・作曲・編曲どの工程においても大いに手腕を発揮した実績があるし、上原さんの作曲が1曲ポッキリだったりと全体的に5期としてまだまだやり残したことがあるような印象もある。
特に5期オリジナル曲のクオリティは過去のWANDSに引けを取らない内容なので、これからの活躍を大いに期待できる。
そして、新ボーカリスト上原大史には上杉昇&和久二郎の幻影を追いかけてスタイルを寄せていくのではなく、もっとセルフカバー曲でも自分のスタイルを確立していってもいいと思う。
セルフカバーで「継承」していくことも一興だけど、3期まで続くWANDSらしさを、もっとアヴァンギャルドに、過去のファンを意識し過ぎず、追い抜き新たな風を吹かせるかのように進化していく勢いをもってもいいのではないだろうか。
Pickup Songs
01 David Bowieのように
MVも制作されたオープニングナンバー。
リスナーの心までをも揺らすような横ノリな歌いだしに、縦ノリで高揚感を持つメロ、解放感のあるサビと、オープニングナンバーにしてシングル級の貫禄を見せてくるストレートなロック。
2番からはハンドクラップにザクザクしたギターリフが奏でられライブ序盤の曲としてもピッタリな盛り上がりがある。
ちなみに詞を書くのに苦労したと語られており、David Bowieと人名を盛り込んだのは長戸大幸氏発案とのこと。
WANDS 「David Bowieのように」 MV - YouTube
02 抱き寄せ 高まる 君の体温と共に
曲の感想はシングル感想を参照。
03 賞味期限切れ I love you
真っ赤なLip路線をもう一発といった感じのソウルフルでジャジーなミディアムナンバー。実際ジャズに用いるコードを使用しているとのこと。
Additional Pianoとして小野塚晃が参加。彼は「Same Side」「太陽のため息」でもサポートとして参加していた。
真っ赤なlipがシングル用なら賞味期限切れ I love youは真っ赤なLipのエッセンスを詰め込んだアルバム用といった、分かりやすさよりも細部までこだわるテクニックで魅了させるような、ベテラン勢の意地というべきか、横ノリでブラックミュージックさは大島ゆずりというべきか。
ギター・オルガン・ピアノのユニゾンはギター&キーボード編成であるWANDSならでは。
普通のバンド体制じゃできないような、このオシャレさがWANDSの別の側面だと思う。
真っ赤なLip同様に打ち込みじゃなく生音だったらすごいゴージャスでグルーヴ感も高まるんだろうけど、打ち込みなのはBeingの方針もあるのだろうか。
上述したように、例によって4分未満に尺が収まっている。その影響かアウトロのピアノオルガンのキーボードソロがフェードアウトしてしまうんだけど、何もフェードアウトしなくても・・・。ここからもう一展開あっても良かったのでは。
オルガンの感じは 3期の「With you 〜living in my heart〜」を彷彿とさせる。
04 Secret Night 〜It's My Treat〜 [WANDS 第5期ver.]
第2期WANDS楽曲のセルフカバー。
本アルバムリリースに先行配信もされた。
元々は栗林誠一郎のソロの楽曲だったが上杉昇がセルフカバーしたいと長戸大幸氏に頼み込んだ、という1曲。
細かいことだが英語詞(It's My Treat)栗林誠一郎というクレジットが消失した(ミスかどうかは不明)。
2期がグランジ・ハードロック路線へと舵を切った重要な1曲で最大の特徴が路線変更に際しベース、ドラムにサポートを招いて生音編成になったことだが、5期Ver.では打ち込みに回帰した。
打ち込みになったことでオリジナルが生音だった分、音の弱さを言われることも多い印象。
特に青山純のドラムの偉大さが再確認できるがインタビューで「オリジナルバージョンのドラムがカッコよくて。アレを超えるものを作るのは難しいなと思って」と正直に語っているのでこれが限界だったのかも。
ここで本作の打ち込みについて語ってみたい。
本アルバムに限らず、第5期WANDSの、特にセルフカバーについてはオリジナルよりも迫力が無い、って評価する人もチラホラいる。
M04のように元が生音だったのが打ち込みになって、というパターンもあるがWANDSの楽曲の多くは打ち込み。
Additional Pianoとして小野塚晃やコーラスはクレジットがある一方、ベースやドラムはノンクレジットなので、恐らく本アルバムにおいては打ち込み(といってもBeingのクレジット表記って以前から曖昧でノンクレジットなのに参加していたパターンもあるわけだが)で、MVやTVではアテフリの代役を、ライブではサポートを招くというよくあるBeingのパターンだろう(色々インタビューを読むと編曲している柴崎さんが担当してるっぽい)。
そして、第5期WANDSの打ち込みで以前よりも大きく変わったのはドラムだろう。
ドラムというのは、特に時代性を反映させる楽器の1つで、70年代のあまり処理しないストレートな音から80年代はリバーブがかった派手な音、90年代以降は明らかな派手さは抑えつつ、近年はまた70年代のようなストレートな音に回帰しつつある。
背景には80年代のヘヴィメタルやダンサンブルサウンドの影響でドラムは音の中心的役割だったのが、時代が進むにつれてEDMなど電子音楽が主流になってきて、重いドラムよりも軽いドラムの方がリズム似合っているし、ドラム以外のリズム・アプローチが増えたのもある。それにサンプリングも充実しているし、一人でオケを作ることも増えている今、打ち込みは昔よりも「作られた音」感がない。
第5期WANDSのドラムも生っぽい音になった。
最初聴いた時は柴崎さんのフェイバリットアーティストTOTOのジェフ・ポーカロ(Jeff Porcaro)みたい。スネアがあまり響かないストレートな音。
ただ結局はミックス次第なんだけども(近年のBeingはWANDSに限らず軽い感じなのが多い)、もうちょっとドラムをドシンと力強さを持たせた方がいい気はする。
そんでもってドラム全体にドライブ感がないというか。
新曲ではそこまで違和感が無いんだけど、過去曲に関しては一音一音を置きにいきすぎてる(M07とか)ように思う。
話を戻す。
言い換えれば打ち込みになってポップな曲調にはなっている。
特にキーボードがオリジナルと比べて大きく躍進し、AメロBメロでエレピ(?)な音色を奏でるなど、原曲がダークでハードだったのに対し、5期Ver.はダークだけど大人っぽいオシャレなサウンドになっていると感じる。
あと地味にオリジナルにあったラストサビ前のゴニョニョ語りもカットされている(あれを再現してたらそれはそれで面白いんだけど、このポップなセルフカバーにおいては蛇足か)。
そういう点ではオリジナルである栗林誠一郎ソロっぽくなった。AメロBメロのキーボードの使い方とか(オリジナルではハモンドオルガンが使われている)。
スカスカとか迫力がないとか言われているが、個人的にはブラッシュアップ、悪く言えば焼き直しな一連の忠実なセルフカバーよりも、随所でリアレンジしてアルバムに落とし込んだセルフカバーは好印象だった。
05 Burning Free
疾走感のあるロックナンバー。
ハンドクラップが多用されていてライブ映えしそうな1曲。
第5期WANDSとして最初に作られた曲と語られている。
ノリのいいリフに真っ直ぐなキーボード、刹那的なボーカルと本アルバムの中でもキラーチューン。
ぶっちゃけ柴崎さんの在籍するabingdon boys school感が全開でもあるがこういう曲をシングルではなくアルバムで魅せる辺りに第5期WANDSのポテンシャルの高さを感じる。
間奏のオルガンチックなキーボードに疾走感あるギターソロのユニゾンは息ぴったり。そしてギター&キーボード編成を最大限生かした間奏といえよう。
上原さんが「一番上杉さんを意識しなかったかもしれない」と語っているが、まさに歌詞の通り、全てを燃やし尽くす勢いで思いっきり振り切ったようなボーカルが心地よい。
06 真っ赤なLip
曲の感想はシングル感想を参照。
07 明日もし君が壊れても [WANDS 第5期ver.]
第3期WANDS楽曲のセルフカバー。
第5期WANDS初の第3期セルフカバーとなる。
3期ではチェンバロだったイントロ・アウトロがパイプオルガン的なキーボードに変更されて貴族風な原曲から教会チックな西洋風に。
イントロ・アウトロは厳かになったものの、5期特有の軽い感じの打ち込みもあって原曲よりもかなりポップになった気がする。というか薄味に。
3期の曲を柴崎さん単体でアレンジしている、っていうのがトピックだが、1番のメロ部分にスクラッチっぽいSEを入れたりギタリストがアレンジしているのもあってか2番のドラムが入った後のAメロBメロでギターがオリジナルよりもフレーズが多くなって前に出ている、という違いがあるが、どことなく原曲の方が音に厚みがあるし、メリハリが効いていたというか。
1番はキーボードとボーカルにストリングスをなぞるだけ、2番からドラムとギターが入ってバンドサウンドになるっていうメリハリがこの曲の最大の良さだったと思っていたから、ちょっとなぁ、と。
これがオリジナルの編曲WANDSと柴崎浩編曲の違いなんだろうか(3期WANDSに関しては編曲WANDS表記だが木村さんによるアイデアも多かったようだし)。
5期Ver.の方が明らかに(特に2番AメロBメロ)音の情報が増えているんだけど、全体的に薄さを感じるのは打ち込んだドラムのシンバル音を絞っている、というのもあると思う。
トータルでいうとこれも原曲よりもポップにしました、といった印象。
ギターソロでは柴崎オリジナルな部分と元の杉元ソロが混じって奏でられるというポイントが。
上原さんのボーカルは原曲と同じキーで歌われ彼の持ち味ともいえるセクシーな中低域が全体を包み込んでいる。
ちなみに、本アルバムのディレクターも務める川島だりあがオリジナルと同じくコーラスを担当。いぶし銀。
08 もっと強く抱きしめたなら [WANDS 第5期ver.]
曲の感想はシングル感想を参照。
09 世界中の誰よりきっと [WANDS 第5期ver.]
中山美穂&WANDS名義でリリースされたシングルのセルフカバー。
2期でもセルフカバーされたので2度目のカバーとなる。
SARD UNDERGROUNDの神野友亜他、Being若手ミュージシャンがコーラスに参加。
原曲は葉山たけし、2期版は明石昌夫が手掛けたが、5期では柴崎浩によるアレンジ。
Wikiには明石アレンジに近い、って書いているけど、何度聴いても葉山たけしアレンジであるオリジナルに近づけてると思う。
メインボーカルを女性ではなく男性が担っているのでその分キーを下げて骨太さが増した。コーラスワークはオリジナルよりも明石版の宇徳敬子コーラスの方を意識しているのかな。
オリジナルや2期版とは違いコーラス隊が複数いるのもあって厚みがあり、最後の方とか大円満っぷりが良い。
ただ、ダブルミリオンヒットソングの貫禄がありすぎて、忠実なセルフカバーはオリジナルアルバムに組み込むと他を圧倒してしまっているようにも。カップリングとか独立して収録しても良かった気もする。
10 アイリメンバーU
唯一の上原大史作曲ナンバー。
爽やかなで明るいがどこか哀愁も感じさせる1曲。
上原さんの上京時のエピソードを基に作詞したようで、歌詞を追うと、頭の中に情景が浮かぶような、他の楽曲よりも砕けていて、ラフで着飾っていない感じが良いのではないだろうか。
ここまで明るく縦ノリなポップさは新しいWANDSの一面のようにも思う。
アルバム全体がダークなエッセンスもあったので、そういう意味ではM08から徐々に明るさを見せているのかな、とも。
M02と同様、意外とあっさり終わってしまうのが難点。