深海DIARY

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【シングル感想】『LULLABY』 ZYYG

ZYYG 9thシングル

1997年3月5日 リリース

 

LULLABY

LULLABY

  • アーティスト:ZYYG
  • ビーグラム
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概要

ZYYG9枚目のシングル。セールス順位は100位ギリギリにランクイン。

 

このジャケットデザイン、背景は赤く、メンバーの衣装は、そして文字が、っていう配色はZYYG再結成のアーティスト写真でも意識されているっていうのは地味にポイント。

01 LULLABY

アコギで曲が始まったと思ったら、そこから一気にドドドド!と派手にバンドサウンドが始まるロックナンバー。前作「Something」から一気にサウンドが変貌した生音重視のロックサウンド志向といった曲調で後期ZYYGを象徴するシングル曲だと思う。

 

ZYYGというバンドの歴史を分けていくと、この曲は後期の曲にあたると思うんだけど、実際、この曲から高山さんの出身地である福岡で生まれためんたいロックっぽさが全開になってきたと感じる。

 

歌いだしから「LULLABY 切なさよ~」と歌詞にあるように、ハードなサウンドだが切なさを感じる1曲。

ファンクラブ会報によれば、「卒業」をテーマに詞が書かれたようで、言われてみればリリース日も3月5日で卒業式シーズンの曲だ。

 

高山さん自身、学生時代は「ビー・バップ・ハイスクール」のような世代だった、ということを発言しているが、そういう不良目線での卒業を描いたような歌詞で「道端にしゃがみこんでは 二ラんでた」という表現からも、世界観が分かる

 

学生時代の自由になりたい、毎日がつまらない、自分はそんな日々を打開できない無力な存在なのか、と葛藤した等身大の歌詞は、この曲を学生時代に聴くのと、その後に聴くのとでは大きく印象が変わると思う。その、聴く時期によって歌詞から伝わってくるイメージが変わるのは、成長ってもんで、その成長に合わせた詞を書いた高山さんの表現力が素晴らしいと思う。

 

筆者は2番の歌詞が好き。「君は寂しそうに笑った それは好きだという意味なのに・・・」とか。等身大の表現と、不器用な男臭さを感じで。

人並みと書いて「かなしみ」と読むセンスは見習いたい。こういう発見ができるのは歌詞カードのいいところよね。

 

でも「自由が欲しいと叫んだ頃が 一番自由だったね」(FIELD OF VIEW「Wake up!!」)ってなるんだよね・・・。人間追い込まれると。

 

この曲が収録されたアルバム『SWEET PUNKS』では表記なしながら、だいぶミックスが変わっており、シングルのバージョンはアコギを押し出したミックスだが、アルバムのバージョンは、アルバムの作風に合わせてか、アコギよりもエレキギターを押し出したミックスになっており、例えばBメロのジャラ~ンってアコギもだいぶエレキでかき消されている。

 

他にも、「LULLABYっっ」ってラストサビにあるボーカルの響きが変わっていたり、アウトロも演奏が短く処理されている。

その他にも、シングルバージョンとアルバムバージョンとでは音の鳴り方が変わっている。

 

シングルバージョンの方がアコギが目立って明るさはある。アルバムバージョンは派手で少し暗さを感じるかな。正直、「Something」よりも気合いを入れてミックスし直している印象がするが、ZYYGにとってもそれほど大切な曲だったのかもしれない。

 

そんでもって、シングルバージョンはアルバム未収録。『BEST OF BEST 1000 ZYYG』ではアルバムバージョンが収録された。

 

LULLABY

LULLABY

02 雨に隠れた涙

ブルースハープが使用された哀愁あるミディアムロックナンバー。

これまためんたいロックを感じる1曲でARBを思い出すような。

 

テンションが低く、ラフな感じの曲調。ZYYGって言われてみれば、案外こういうテイストがなかったよな、って。カップリングは基本、歌いあげるようなものが多かったが、ラフな感じで歌われている。

 

雨と涙を掛け合わせた、A面とは違った角度の切ない別れのラブソング。

起伏あるメロディーではないが、哀愁のあるメロディーは聞けば聞くほど味がでる。こういう曲はライブで演奏すると静かながら一体感が出るんだろうなって。

 

前作のカップリング曲「CRYING MOON」と同じく、『SWEET PUNKS』には入らないだろうなぁってサウンドだが、カップリングだからこその味わいがあるのかも。というか、こういうサウンドもできるってポテンシャルの高さから、この路線で固めたアルバムも聴いてみたかった。

 

「今夜もまた 自分の溜息に微笑みながら 面影揺れる」ってフレーズが好き。

 

ちなみに、シングル盤には演奏クレジットがないが、後藤さんのTwitterを参考するに、彼がブルースハープを吹いている模様。

雨に隠れた涙

雨に隠れた涙