深海DIARY

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【アルバム感想】『vocal compilation 90's hits vol.2 〜female〜 at the BEING studio』 V.A

ビーイング系アーティストオムニバス 

2003年5月25日 リリース

 

収録曲

01 恋は舞い降りた / 七緒香
02 街 / 七緒香
03 メとメで伝心 / SO-FI
04 孤独のRunaway / W-NAO
06 ジュテーム / 坪倉唯子
07 遊びに行こうよ / BA-JI
08 HAPPY BIRTHDAY FOR YOU / 秋吉契里
09 きっと ふたり 会えてよかった / 柳原愛子
10 Tears / 森下由実子
11 街中の素敵 みんな着飾って / 中原薫
12 いますぐ 夏へ 連れ去って… / Beaches
 Premium Track
13 それだけなのに… / 川島だりあ feat. 上杉昇

感想と概要

『 at the BEING studio』第11弾。
女性ヴォーカルコンピレーションアルバム。
全曲リマスタリング。ライナーノーツ付き。M13はプレミアムトラック
 
Wikipedia「アルバムタイトルに「hits」と書いてあるにも関わらず、一回も10位以内に入らなかった楽曲を中心に収録されており」と書かれてしまっているように、前回の男性ヴォーカルコンピレーションと違い本作に収録されている曲の中でのオリコンの最高順位はM01の22位で次にM06の25位となっている。その他はセールス的には下位のものが多く、アルバムも1、2枚ぽっきりで活動休止(凍結)したものがほとんどという結果に。
 
だからといってBeingで女性アーティストが成功しなかったか、といわれれば否であり『 at the BEING studio』化した大黒摩季MANISHPAMELAHMi-keがおり、他にも『 at the BEING studio』にならなかった宇徳敬子(本シリーズがリリースされていた03年に『THE BEST "eternity"』が初のベストとしてリリース)や外部プロデュースのKIX-S・そしてZARD倉木麻衣など成功例も多数存在する。
女性陣に関しては一度ヒットすればその後もファンが付いてきたアーティストスマッシュヒットすらできなかったアーティスト極端に二分化されたような気もするが。
 
収録曲に関しては、七緒香のM2がアルバム曲だが、基本シングル曲中心。M1・M2飛んでM4・M5と松本孝弘作曲ソングなので、上位曲だけB'zな雰囲気。W-NAOは網浜直子飯島直子という女優コンビで飯島直子は名前ぐらいは知っていたので、なんか意外だった(ググったら飯島愛と間違えてたんだけど)。B'zって上木彩矢にもカバーされたけど、なんで自社の女性アーティストにカバーされる率が高いんだろう。逆にDAIGOはカバーしてないし。
 
全曲を通して聴くと「THE Beingサウンド」と感じる耳ざわりの良い曲たちが並ぶが、男性コンピと比べると個々の個性が薄いような気がする。これは制作の面でも表れているような・・・
というのも、男性コンピは自作曲があったりアレンジャーも複数人にばらけていたので、ある程度の差別化がされていたんだが、本作は作詞こそ自作も多いが作曲と編曲はBeingクリエイターの方々が担当しているものが多く、結果男性コンピのように個性が出ずインパクトに欠けてしまっているように思う。
 
ただ、これら個性がない、というのは本作内での話であり、収録されているアーティストのアルバムを聴いていくと「こういう個性が眠っていたのか」と気付ける部分も多いので、本作を入り口にして聴いていくのはオススメである。売れ線、とまではいかないかもしれないが、どのアーティストもカップリングやアルバム曲がシングルよりも個性を発揮している人が多く楽しめる。本作だけで見切ってしまうのはもったいないぐらいに。
なんか、そういう意味で言うとシングルは良くも悪くも王道売れ線Beingサウンドを意識しすぎたのかな、と。
 
あと、どうせなら坂本龍一プロデュース前、歌手としては売れる前にBeingに在籍していたあの大女優中谷美紀が93年に出した唯一のシングル「あなたがわからない」とか中谷美紀がアイドルプロジェクトとしてBeingが一枚噛んでたKEY WEST CLUBの曲とか入れてもよかったような気がするんだけど、色々な事情から見送られたのだろうか。
 
他にもKIX-Sのギタリスト安宅美春のソロ作品からとかね。「孤独のRunaway」とか Premium Trackで収録してもよかった気がするけど、それも権利の問題か?
 
なんなら、マイナーなところを突くとライナーノーツにも名前が挙がっている早川めぐみをプレミアムトラックにするとか・・・。彼女に関してはほぼLPのみ、未CD化のものも多いし。
Beingは80年代のジャパニーズヘヴィメタルブーム期にハードロックの頭文字「H.M」と(意図的に)合わせたヘヴィメタクイーンを連発して輩出していた時期があり、ヒットを飛ばした浜田麻里(樋口宗孝プロデュース)や本城未沙子(高崎晃プロデュース)・早川めぐみ(Yoshinao Momoiプロデュース。筆者調べでは何者かわからなかったが、イエモンの菊池兄弟がいたキラーメイBLUEWもプロデュースしている)・橋本ミユキ(44MAGUNUMプロデュース)らがデビューしたのである。
 
早瀬ルミナというH・R(ハードロックの頭文字)もいたが、こちらはBOWWOWプロデュース、とBeingはヘヴィメタクイーン(嬢メタルとも)を輩出しており、これら背景にはLOUDNESSBLIZARDなど、Beingがジャパメタ元祖のシーンの一部を作り上げたからこそのできた人脈からだろう。早川めぐみにはB’z以前の松本孝弘が参加していたりとBeingブームにつながる、そして当時のジャパニーズヘヴィメタルブームの音を聴ける重要な作品たちなのだが、浜田麻里と本城美沙子を除けばCD化がされていないものが多いのだ。
 
と、ジャパメタ好きの筆者により話がだいぶ逸れたが、男性コンピではBOOWYがプレミアムトラックなら、女性コンピにも80年代の音源があってもよかったな、って。現在は政治家の三原じゅん子先生や亜蘭知子なんかでも良いと思うんだけど。
橋本ミユキさんは、90年代にはBeingでTOPAZを結成していたりもするので要チェック。

Pickup Songs

それだけなのに… / 川島だりあ feat. 上杉昇

プレミアムトラック。本作最大のセールスポイント。川島だりあ単体で『 at the BEING studio』がリリースされているのに本作に分散させて収録する辺りに商売上手さを感じる、ということは置いておき。
ライナーノーツによると「彼女の3rdアルバム用に制作されたがFEEL SO BAD始動にともないお蔵入りした(要約)」という1曲。
上杉昇featuringされ歌われており、倉田冬樹のアコースティックギターとシンセ(?)のみのシンプルな演奏が2人の歌声を際立たせている。シンプルといえばシンプルなのだが、逆に2人の歌声と倉田のギターだけで勝負しているような、3人の地力が存分に発揮された名曲