中山美穂 25thシングル(中山美穂&WANDS名義)
1992年10月28日 リリース
概要
中山美穂&WANDS名義でリリースされたコラボレートシングル。
中山美穂の所属していたキングレコードからのリリースではあるが、制作はBeingであり、中山美穂を外部からプロデュースするという形でリリースされた。
ミリオンヒットを記録し、183万枚のセールスを記録(累計では200万枚とする記事もある)。
これは中山美穂のみならず、WANDS、作曲した織田哲郎、編曲した葉山たけしと全員にとって最大のセールスとなった。
大ヒット曲として紅白歌合戦にも出場。紅白は出場すると、記念のトロフィーが貰えるらしいが、上杉さんらWANDSのメンバーも貰って家とかで飾っているのだろうか。
このシングルから木村真也がジャケットに登場。この時はまだ眼鏡をしていない。
新たに加入したキーボード木村真也は2期という全盛期を支えた他、3期ではイニシアティブを取り、5期においてメンバーに復活するなど、実はWANDSメンバーとして最もキーパーソンな人物かもしれない。
思えば木村さんって凄いタイミングで加入してるよね。いきなりプロのミュージシャンになり、いきなりミリオンヒット曲からの紅白出場。そして次回作『時の扉』もミリオンヒット。大人気ユニットのメンバーにいきなりなるというある種、肝っ玉が座ってないと重圧が凄そうだが(その後3期して5期もするわけで)。
X JAPANのHEATH並みに凄いタイミングで加入してると思う。
WANDSとしては「世界中の誰よりきっと -Album version-」として『時の扉』にてセルフカバーされた他、5期でもセルフカバーされた。
01 世界中の誰よりきっと
織田哲郎作曲によるポップスナンバー。
J-POPとはなんぞや、という質問に対しての一つの答えような1曲。
J-POPという日本独自に発展していった、日本で最もポピュラーな音楽ジャンルにおける、お手本のようなサウンド。Beingのライナーノーツにあるようにポップスの旨味を凝縮された1曲だと思う。だからこそ現在に至るまで親しまれているのだろう。
中山美穂はリリース当時から既に人気女優(人気アイドルというべき?)だったようだが(筆者としては辻仁成の小説を読んでた流れで彼の元奥さんのイメージの方が強い)、WANDSはまだ人気ミュージシャンってほどでもなく、その影響か&で連名になっているものの、ほぼほぼ中山さんメインの楽曲となっている。
中山美穂のパッと弾けたような歌声はマッチしてるし、この曲を一層明るくしていると思う。上杉さんは&で連名だが、コーラスに近い役割であり、二人で並んで歌っている映像もあるが、その並んでいる、という良さが無いような・・・。
もっと分かりやすくデュエットなら二人並ぶのも様になるんだが。
上杉さんの自伝「世界が終わるまでは・・・」と「世界が終わるまでは・・・2」において、このコラボレーションについての言及があり、特に2において「最初に提案された形と違う形になった(超要約)」ということが書かれており(詳しくは購入して確かめてほしい)、その記述を読んだ上で当時の映像なんかみると、なるほどなぁとは思ってしまう。商業の世界である。
某動画サイトにある「FNS歌謡祭’92(動画タイトル参照)」では、曲を披露した後にコメントを求められる場面があり、上杉さんのマイクが入っていない(この件も自伝に答えが載っている)ので中山さんがマイク向けてるのが印象的だが、アナウンサーに「ライブ中心のWANDSの皆さん」とか「大学生なんかのファンが多かったがファンが広がった?」とクエスチョンされているが、この頃のWANDSって大学生ファンが多かったのだろうか。後追いとしてはそこが気になった。
あと、この時期のWANDSってライブ活動してたのか?1期はしてないと記憶してるけど。
テレビにあまり出演しなかったBeing系アーティスト。過去の名曲振り返りな回顧番組においてWANDSの映像はあまり流されるイメージが無いが、この曲に関してはよく流れる印象がある。
とはいっても辛うじて上杉さんが後ろに映っているぐらいで、ほとんどが中山美穂さんのアップなんだが。どの局の番組かは忘れたが、回顧番組で流れ、それを見て勢いのまま、iTunesで本曲を購入した記憶がある(後に8cmCDシングル盤を買ったんだけど)。
WANDSとしては現状唯一(中山美穂と一緒に)紅白歌合戦に出場した楽曲でもあるが、某動画サイトで紅白の時の映像を見たら、上杉さんは中山美穂さんのすぐ近くにいるから映るものの、柴崎・木村さん両名はステージの端で黙々と演奏してる感じで、特に木村さんがめちゃくちゃ端でキーボード弾いててそれでいいのか、と思ったのが正直なところ。
まぁWANDSというユニットの編曲的にも、バックバンドというほど楽器隊が揃っている訳でもないしなぁ。
5期のセルフカバーでは、このオリジナル版に近いアレンジとなっている。
02 世界中の誰よりきっと〈PART II〉
カップリングとして収録された別バージョン。
こちらのバージョンでは上杉昇がメインボーカルで中山美穂がコーラスの役割と鳴っている。編曲は同じく葉山たけし
A面では王道ポップスだったが、〈PART II〉では落ち着いたスローで極上感のあるサウンドに。
上杉さんメインボーカルでの「世界中の誰よりきっと」は、この「PART Ⅱ」と「世界中の誰よりきっと Album version」の二つになるが、筆者的には、この「PART Ⅱ」が一番好み。
「Album version」では明石昌夫が編曲を手掛け、原曲よりもテンポを落としたポップスサウンドだが、宇徳敬子さんのコーラスメロディーがあまり好きになれず、中山美穂の単純にハモったシンプルなコーラスの方が聴きやすいかな、と。
上杉さんメインのバージョンにはなるが、権利の問題かWANDSサイドの作品には収録されず、中山美穂サイドのベスト等には収録されている。
なお、以前ツイッターで、「台湾盤『WANDS BEST 〜HISTORICAL BEST ALBUM〜』には「Jumpin' Jack Boy」「White Memories」そして「 世界中の誰よりきっと〈PART II〉」が追加されている」というツイートを発見し、「WANDS側にPART 2の権利あったのか?非正規品?」と呟いたら台湾の方から「細胞という現在は無くなった会社がリリースした非正規品」とのリプライを頂いた。その為、やはり、Being側には権利が無いのかも。
03 世界中の誰よりきっと(オリジナル・カラオケ)
オリジナル版のカラオケ音源。
Beingのカラオケ音源はコーラスは残すのが基本だが、一応上杉さんの声はオリジナル版においてもコーラスという扱いではないようで入っておらず、純粋なカラオケ音源となっている。
配信では、以上3曲にプラスしてバージョン違いやカラオケ音源が入っているようだが、あくまでCD盤のレビューなのと、未視聴なので記載しない。