深海DIARY

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【ライブ感想】『<Thursday LIVE 寺尾祭り〜ワンマンライブ〜』@hills パン工場 2023年7月13日 寺尾広・葛原豊(ex. TEARS)・青いガーネット(山本ピカソ)・北川加奈

『<Thursday LIVE 寺尾祭り〜ワンマンライブ〜』@hills パン工場 2023年7月13日 寺尾広・葛原豊(ex. TEARS)・青いガーネット(山本ピカソ)・北川加奈

7月に突入し、気温がドンドン上がってきた今日この頃。

熱中症に気を付けないといけない熱さ、また豪雨と偏に「梅雨」といっても梅雨の形がここ10年ぐらいでだいぶ変わった気がします。

今日もずっと曇り空でしたが家をでたら雨が強く降りまして、なんとまぁタイミングの悪い人間です。

 

5月に続きhills パン工場へライブ参加です。

(雨が降っていたからかいつもサムネに使っている看板が無かった)

・元TEARS葛原豊さんの出演が正式決定しました

こうTwitterでアナウンスされたのは6月11日のこと。

 

皆さんはTEARSというバンドをご存知でしょうか。

かつてBeing(現 B ZONE)に所属していたギター×2とボーカルの3人編成で活動していたロックバンド(グループ)です。

 

1stシングル『眩しいほど綺麗になったね』がオリコン18位とスマッシュヒットをしたものの、セールス的には低迷し、シングル7枚、アルバム1枚を残して活動は終了しました。

ビーイング系アーティストとしてカテゴライズされますが、ソニー・ミュージックに属していたのもあってかビーイング系コンピレーション等に収録されることもなく、コアなビーイング系ファン以外には認知度が低いバンドかもしれません。

 

私とTEARSの出会いは10年程前、中学生の頃に某大手リサイクルショップで偶々1stアルバム『ACROSS THE DREAMS』の(大声では言えませんが)見本盤(サンプル盤)を発見したのがキッカケでした。

 

購入して早速聴いてみると、アコースティックな音色とハスキーだけど、どこか爽やか、そして温もりを感じるボーカルにグッときてそれ以来、よく聴くビーイング系の一組でした。

最終的にシングル7枚全てをコンプリート。どの曲も味があって大好きです。

 

そんな中でいつものようにTwitterを眺めていると、フォローしている方のマシュマロ(匿名で質問を投稿できるサービス)で「元TEARSの葛原豊さんがYouTubeをしている」的な質問へのアンサーツイートがありましてね。

 

そこで初めて「TEARSのボーカルの人、YouTubeしてたんだ」と知り、YouTubeを拝見してTwitterアカウントも覗いたりしていたのですが、そこからhills パン工場に出演する、というアナウンスがあって「これは是非行かねば」と思った訳です。

 

今回は以前のBAAD再会ライブと同じく寺尾さん出演の『Thursday LIVE』のゲストとして葛原さんが出演。続報として”青いガーネット”の山本ピカソさん・キーボードに北川加奈さんの出演もアナウンスされました。

 

・そして始まるライブ

セトリやMCは完璧に覚えていませんのでニュアンスミス等がある場合があります。

 

今回は18時30分開場の19時スタートというスケジュール。

当初の予定ではいつものように余裕をもって来れる筈が急遽別の予定が入り、入場が始まってるぐらいで到着。

 

いつものようにドリンクを貰います。今回はお~いお茶。スッキリした旨味と苦み。

 

今回は椅子に座るパターン。席の指定は無いようで。まぁ程よく空いていたので傘を置いても迷惑にならなそうな場所を選んで着席。スタートを待ちます。

BAAD・ZYYGのライブと比べて今回が一番年齢層高かった気がする。

 

19時6分頃にスタート。

出囃子は寺尾さんが作曲・編曲を手掛けた吉本新喜劇オールスターズ「エクスタシー」でそれに合わせて寺尾さんが登場。

ただ寺尾さんが忘れ物をしたということで一旦仕切り直し。もう一度「エクスタシー」が流れて再登場。

 

大阪の人には御馴染み、という曲らしいですが知らなかった・・・。

吉本新喜劇は土曜日のお昼に毎週放送されているんですが、その時間帯は小学生の頃は習い事、中学は部活、高校は寝てた、といった感じで見る習慣がなかったんですよねー。

2023年に正統派コメディ&ダンス&ボーカルユニット「吉本新喜劇20'S 秘蔵っ子」リメイクされているようです。

ECSTASY-Osaka- 秘蔵っ子 version

ECSTASY-Osaka- 秘蔵っ子 version

  • 吉本新喜劇20’S 秘蔵っ子
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

その後は寺尾さんのトーク&歌が披露されていきます。

 

寺尾さんが事前に多重録音したコーラスに合わせて歌う、といった内容でThe Beach Boysの「Help Me, Rhonda」に始まり、夏ということでTUBEの「SUMMER DREAM」が2曲目に。

「SUMMER DREAM」は何故4月にリリースされていたのか、ビーイングによる季節ソングのセールス戦略や織田哲郎・長戸大幸氏らによるTUBEの音楽制作風景などを曲が始まる前に話していました。

素人からすると、なんで夏ソングが4月なんだよ、ってなりますが、言われると納得のいく戦略があったんですね。

この曲の歌詞にある「渚のカセット」が渚のオールスターズにも繋がるわけですから、偉大な1曲だなぁと改めて思いましたね。

 

続いて社会人時代のエピソードを交えてThe Beatlesの「Golden Slumber」や「Java Jive」が披露されました。

 

そしてゲストの登場。

北川加奈さんと青いガーネット山本ピカソさんです。

両者共にお初・・・と思いきや寺尾さんのMCで気づいたのですが、北川さんは以前名探偵コナンの主題歌も担当していた「なついろ」というグループのメンバーだったんですね。

 

1stアルバム『あの夏色の空へと続く』は私が中学生の時に隣町のレンタル店で、当時女性ボーカリストに触れたい、とkarafinaのベスト2枚、清浦夏実のアルバム、高橋瞳の3rdアルバムと共にレンタルしたのを鮮明に覚えています(合わせて5枚で1000円のセット料金に)。

そこは鮮明に覚えているのにメンバーだったことは一切忘れていました・・・。

 

余談をいうと『あの夏色の空へと続く』は好印象だったもののCDをiTunesにインストールした後にそのiTunesファイルが破損してしまって、それ以来聴くことがなかったので・・・今回のライブを機会にもう一度聴きなおそうと思いました。

あと「なついろ」のボーカリストである森川七月さんはなついろ活動休止後にソロで出演していたジャズフェスティバルで聴いたことがあるんですよ。改めてもう一度なついろを聴かねば。

 

山本ピカソさんは青いガーネットのボーカル(という表現でいいのかな)。

青いガーネットはこれまた以前Beingに所属していたGARNET CROWのトリビュートバンドの名称です。

ZARD・小松未歩に続いてGARNET CROWも現代に歌い続けるということでトリビュートバンドが始動した模様。

 

ボーカルの山本ピカソさんは以前は紫央(SIO)という名義で活動していたようで、改名しての活動みたいです。

 

北川加奈(Key)・山本ピカソ(Vo)のお二人でGARNET CROWの楽曲が2曲「世界はまわると言うけれど」「Mysterious Eyes」が披露されました。

ぶっちゃけGARNET CROWはアルバムをなぞるように聴きつつ、でも詳しくないんですけど、キーボードとボーカルだけというシンプルな編成は聴き心地が良かったし、なにより山本ピカソさんの歌う姿勢が良かったと思いますね。

 

ただGARNET CROWとして以前に作られていた歌詞をなぞって歌うのではなく、一つ一つの単語の意味、背景をしっかりと理解して、それらを自分の声に想いを乗せているような印象を受けました。

GARNET CROWの歌詞をノートに書き起こしてAZUKI七さんの当て字の意味など色々体感しているようです。

 

今はまだ音源化もされていないようですが、今後の活躍に注目ですね。

 

2曲の披露が終わると寺尾さんのMCと共に今後の活動や宣伝を挟んで、寺尾さんソロパートへ。

夏ということで、「今でこそ冬ソングのイメージが強いですけど、昔は夏のイメージが強かった」ということで山下達郎「YOUR EYES」やTUBEの「Remember me」が披露されました。

 

その後、寺尾さんが「私は山と海どっちが好きでしょう?」って観客にクエスチョン。

BAAD再会ライブの時に千葉だったかどこかで海を眺めていた、っていうエピソードを話していたので海に手を挙げたら(山に手を挙げた人の方が多かった)正解でした。

海のエピソードと共にZARD「ハイヒール脱ぎ捨てて」。

寺尾さんのコメントで気づきましたが、あなたよりも仕事を取る、という無常な歌詞なんですね。

 

次のゲストとして遂に登場。元TEARSの葛原豊さん。

 

前述したようにTEARSはソニーに所属していたからか、ビーイング系コンピレーション等に収録・参加している機会が無く、ライナーノーツ等も存在しないので、経歴については後追い世代からすると情報がほとんど無く(ネットにもあまりないので)、まず動く葛原さんを始めてみたし、本人から語られるデビューまでの経歴は貴重でした。

 

あとBADオーディション出身だそうで。BADオーディションってライナーノーツではよく目にしますが、細かいオーディション風景はこれまた謎に包まれていたので、サラッと語っていたオーディション風景も貴重かなぁと。

BADオーディション以前は今だから笑える(?)トホホな出来事もあったようで・・・。

葛原さん、物静かなトーンですがデビュー以前は大阪にいた(ということも筆者には初情報でしたが)ということもあってか観客が思わず笑ってしまうような話の組み立てでしたね。

 

あと、寺尾さんが90年代の後半にTEARSに関わっていたようなんですけど「一人脱退して」と語っていて。てっきり3人のまま解散したと思っていたんですが、最後二人になって解散だったのでしょうか。

Wikipediaには解散後に葛原さんとメンバーであった仲居辰磨さん両名でLAYというグループを結成した、とはありますけど如何せん情報が少なくて不明瞭です。

 

そして遂に寺尾さん(Key)と葛原さんの二人で歌が披露されます。

1曲目はTEARSのデビュー曲「眩しいほど綺麗になったね」。川島だりあさん作曲です。

TEARSはアコースティックなサウンドでしたが今回はキーボードとボーカル。歌声がジックリと聴ける編成です。

やはり声が良いです。声に渋みががっていますが、あの暖かみのあるボーカルは健在

寺尾さん曰く30年ぶりのライブ(今年の6月に東京で公演された本田”POM”孝信生誕祭以来の2回目)で音楽活動も行っていなかったとは思えない程の歌声でした。

 

2曲目は寺尾さんがディレクターを務めたZARDから「永遠」をカバー。

1番のサビを聴いたとき、ふと「葛原さんのオリジナル?」と錯覚してしまったほど、歌詞の意味や情景が浮かんできたんですよね。

シンプルな楽器編成なのに、とても魅了されました。なんというべきか、会場でしか味わえない深いボーカリストの力を感じましたね。

 

この2曲をもって葛原さんパート終了。

再び寺尾さんパートへ。

 

MCが長引いて時間が押していたようで(新幹線で来られた人は終電に間に合わない可能性があった為)若干巻きで曲が披露されます。

ZARDから2曲「心ひらいて」「Forever you」。

 

夏といえばポカリスエットって感じな前者と、坂井泉水さんがデビュー以前はレースクイーンやモデルをしていた時の経験を基に歌詞が書かれた後者(坂井さんが過去を後悔していないという思いから長戸氏が詞にしてみたら、というアドバイスがあったという)。

ラスト2曲はZARDでしみじみしましたね。

 

・ライブが終わって

ラストのZARDが終わってライブは終了。

終了後、葛原さんと寺尾さんがパン工場の階段を上がった所でお話できるということで、葛原さんとお話しました。

「24歳で当時の事は分からないし、CDも本人を目の前にして申し訳ないですけど中古屋さんで手に取ったの聴いて・・・歌声に感動しました」ということや「今日も感動しました」と。

葛原さんは「ありがとう」「久しぶりのライブだけど」などと言ってくださり、今後の活動について聞くと「ライブはまた呼ばれたら演りたい」とおっしゃっられて、「また大阪であったら絶対来ます!」と(緊張して一重に関西弁といっても2つの地域の関西弁をミックスさせた変な関西弁で話してしまった筆者。相手からすると多分変な関西弁になっている)。

 

最後にツーショット写真と握手をしていただきました。

 

葛原さんとお話&写真に握手までしていただけると思っていなかったので、感動です。

寺尾さんにも「本日はありがとうございました」と少しお話しました(他の方とも話されていたので)。

 

今回、葛原さんは2曲ぐらい歌う、ということは事前にツイートされていたので周知していましたが、次の機会があればもっと曲を聴いてみたいですね。TEARSの曲もそうですが、カバーも含めて。「あの空を忘れない」とか「ふたりだけの地図」とか聴いてみたいです。

 

帰り道、TEARSのアルバム『ACROSS THE DREAMS』を聴いていたのですが、「RAIN」のサウンドがピッタリな一日でした。

 

www.youtube.com

(葛原豊公式ch)

twitter.com

(青いガーネット(山本ピカソ)公式Twitter)

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(北川加奈 公式Twitter)